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幸福実現党 加藤文康 1月18日(火) 公式ブログ

加藤文康(かとうぶんこう)のブログです。

 

 

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Posted on 19:14:41 «Edit»
2011
01/18
Tue

Category:日々の加藤と仲間たち

1月18日(火) 


久しぶりに、
シェイクスピア最後の悲劇とされる、「コリオレイナス」を読みました。

主人公は、プルタルコス英雄伝でも有名な、
古代ローマの伝説的将軍ケイアス・マーシアス(後に戦功を称えらて、コリオレイナス)。
武骨にして生粋の軍人であるコリオレイナスは、
“穀物をよこせ”と頻繁に暴動を起こす民衆には、当然ながら批判的です。

「お前らは、戦争だと震え上がり、平和だとのさばりかえる。
 一分毎に気が変わり、今、憎んでいた者を立派だと持ち上げ、英雄に祭り上げたものをこきおろす」
「さあ、何が欲しい? この野良犬どもめ」


こんな彼ゆえ、当然、民衆の人気はありません。
しかし、国家の危機を救う軍功を次々と挙げるため、
周囲の推挙もあり、渋々ながら執政官に立候補となります。

元老院の支持は難なく取り付け、
あとは、従来の形式に則り、
素肌の上に謙虚の象徴であるボロ衣をまとって民衆の前に立ち、
歓呼の声で支持を取り付ければよいのですが、
追従など大嫌いの彼にとって、これ以上の屈辱はありません。

“頼む。上手く話して、きれいに決めてくれ”
友人の祈るような期待をあっけなく裏切り、
あっけなく挑発に乗ってしまいます。
再び、穀物の無償配布の話となり、
再び、民衆を罵るのです。
国家存亡の危機に際しながら、
相変わらず福祉でモノ・金をもらうことしか関心のない民衆と、
立身出世のために彼らの欲望を煽るだけの護民官に、
軍人として、我慢がならなかったのでしょう。

「これでは、叡智のある者が、
 愚昧な大衆の賛否なしには何ひとつ決定が下せない。
 真に必要なことが蔑ろにされ、その間、優柔不断が幅を利かす。
 やつらに権力の旨みを味わわせるな。
 国家の正しい判断力をズタズタにし、国家に相応しい統一を奪ってしまう。
 悪に制圧され、善をなそうとしても、その力が持てなくなるのだ。」

(松岡和子訳 シェイクスピア全集14 ちくま文庫)

執政官就任の晴れの舞台が、一転、国家反逆罪で死刑判決の場になるという悲劇。
(因みに、過去の戦功に免じて、後に追放刑となり、この誇り高き英雄の波乱の物語は続くことになりますが、、)

本作品が、地中海を中心に世界帝国を築くことになる遥か以前の、
青年期の古代都市国家ローマを舞台にした物語であることを思うたびに、思わず嘆息が漏れます。
大衆参加型民主主義が内包する、普遍的悲劇そのものを感じるからです。


それにしても、
さすが、時代を超越した天才 ウイリアム・シェイクスピアです。