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幸福実現党 加藤文康 トマ・ピケティ教授来日に想う 公式ブログ

加藤文康(かとうぶんこう)のブログです。

 

 

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Posted on 21:17:56 «Edit»
2015
02/02
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Category:日々の加藤と仲間たち

トマ・ピケティ教授来日に想う 


トマ・ピケティ パリ経済学校教授が来日。「21世紀の資本」は700ページを超える大著ながら全世界で150万部を超えるベストセラーになり、その人気ぶりは先般、衆院予算委員会でも取り上げられるほどでした。

私も仕事上の義務感から購入しましたが、本を読むスピードがかなり早い私でも結構、難儀しました。150万人のうち、本書を通読した人はよほど我慢強い人でしょう、 心より敬服いたします(笑)。

さて、700頁以上の大著を無理と不遜を承知で要約すると、それはオビコピーにあるように、r>g になるかと思います。
”主要国の所得と資産の関係を過去200年以上に渡り調べた結果、資本収益率は経済成長率を常に上回る”。
されど、経済学が専門ではない私ですが、ピケティ教授の主張には直感的に違和感を覚えます。

①まず研究手法:
ピケティ・チームは、日本を含む20か国以上の過去200年以上の税務統計資料を調査したそうです。その努力は大英図書館で万巻の書を読み込んだマルクスの熱意を彷彿させるものがありますが、我が国を一例に考えれば、鎖国下の江戸時代、身分制封建社会の税務統計(そもそも、そんなものが存在するのか?)を外国人がいささか分析したところで、現在の日本社会や世界経済への処方箋を見出せるのか。古文書からは過去の事実を学べますが、複雑な現代社会のあるべき姿を導き出すのは、いささか学問的に強引に思います。

②では結論:
キーワードであるr>gにしても、冷静に考えれば当たり前のことで、”何をいまさら”です。リスクをとって知恵と熱意でビジネスに投資したリターンが、労働者(大多数の国民)の賃金上昇率よりも高いのは当然で、これこそが資本主義の本質です。ピケティは大著の第一部第一章で、南ア・ヨハネスブルグ郊外で過酷な労働に喘ぐ鉱山労働者(おそらく黒人)とロンドンで裕福に暮らす株主(たぶん白人)との争議を取り上げています。争議は地元警察が介入して鉱夫数十人が死亡する結果に終わりました。私もそうした光景は想像はできますが、わざわざ大著の冒頭にこうした事例を取り上げるあたりに、彼の資本に対する基本姿勢が垣間見れます。さらには、資本主義のごく普通の事象をあたかも世紀の大発見のように取り上げ、自己の主張に結びつけるあたりに、①と同様、この学者の学問的恣意性を感じてしまうのです。

③さらにその主張:
”現状のままだと富裕層がますます豊かになり、貧困層がますます貧しくなるので、富裕層に対しては所得だけでなく、資産にも累進的に課税して格差を是正すべし” これが彼の主たる主張です。されど、所得への課税は一回限りであるのに対して、資産への課税は資産を所有する限り、永遠に続きます。知恵と努力で多くの富や雇用を創出して資産を蓄えてきた企業家ほど、多くのペナルティが科され、国民生活に貢献する企業にあってもその生産手段に毎年、税金を課され続けるというのは、首を真綿で絞めるような恐るべき税制であります。さらに言えば、”グローバルな累進課税”ですが、世界中のどこか一国でも抜け駆けして税金を安くすれば、そこがタックスヘブンとなります。要は、各国の国家主権を否定する強権的世界政府でも樹立しない限り、”グローバルな累進課税”など実現不可能なのです。果たして、世間知らずな若い学者の夢想か、それとも全てを承知の上でのマルクスの世界革命の21世紀版を目指しているのか、、。 答はおそらく前者でしょう、されど思想とは個人を離れて一人歩きしてしまう恐ろしさがあります。

資本主義は様々な負の側面も有しながらも、人類全体に大いなる繁栄をもたらしているのは厳然たる事実です。行き過ぎた経済格差には政治的対応が必要ですが、格差なき社会は共産主義という地獄であることも忘れてはなりません。

行政によるセーフティネットに加えて、社会における宗教的互助精神の涵養、そして成功者の騎士道精神による慈善活動の充実、、。 様々な試行錯誤とイノベーションを重ねながらも、常に新たな繁栄の戦略を追求していく姿勢が人類全体に求められていると思います。

まあ、疫病神・ピケティ教授のご来日に際しての雑感でした。